輸入する際には、関税等を払わなければなりません。ここでは、納付すべき関税が協定とうによって減税、又は免税するために提出する原産地証明書等について、通関士試験に出題される形式に沿って解説します。
減免税になる条件は、基本的には締約国で生産された貨物が、締約国から送られてくることです。ですので締約国で生産されたことを証明する書面が必要となるのです。
原産地証明書等とは何?
原産地証明書等 ”等”と記しているのは、いづれも原産地を証明するものですが、その協定により名称や内容がことなるためです。細かく見ていきましょう。
締約国原産地証明書
締約国原産地証明書とは、積荷の原産国を証明する書類です。TPP協定と日EU協定では用いることができません。その他の協定では全て使用が認められています。この書類を作成できるのは各国の公的機関となります。
締約国原産品申告書
締約国原産品申告書も、書かれている内容は上記原産地証明書とほぼ同じですが、名称と作成者、使用可能な協定が異なります。締約国原産品申告書は輸出者、輸入者、または生産者が作成することができる書類です。ただしこの書類の使用が認められている協定は、TPP協定、日EU協定、オーストラリア協定のみとなりますので注意してください。また原産品申告書を提出する場合は、(事前教示で回答済みの貨物や課税価格の総額が20万円以下の場合で)税関長が必要ないと認める場合以外、仕入書や契約書などの関連書類の提出も必要となります。
認定輸出者が証明する原産地申告がされた文書
とても覚えにくいネーミングですが、名前はきっちり覚えなくても大丈夫です。他と区別するために「文書」とでも覚えてください。どういうことかというと、公的機関に認定された特定輸出者が、INVOICE(仕入書)などに、所定の文章を記載することで証明できるというものです。超らくちんですよね。ただこれがOKな協定は、メキシコ協定、スイス協定、ペルー協定の3つだけになります。
暗記ポイント
各書類が適応される協定を確実に覚えましょう。統一されていないのが腹が立ちますが、締結時の外務大臣でも恨んでおきましょう。2個認められれている場合はどちらか1つでOKです
右以外の協定 | TPP/EU協定 | オーストラリア | メキシコ/スイス/ぺルー | |
原産地証明書 | ○ | X | ○ | ○ |
原産品申告書 | X | ○ | ○ | X |
~文書 | X | X | X | ○ |
原産地証明書等の提出が不要な場合
基本的には原産地証明書等は輸入申告時に税関へ提出が必要です。ただ下記の場合は提出が不要となります。(税関も全て提出されても処理が追いつかないのでしょう。たぶん)
- 課税価格の総額が20万円以下の貨物
- 貨物の種類、商標等または仕入書その他書類によりその原産地が明らかな場合
- 特例申告貨物の場合
原産地証明書の有効期限
原産地証明書は「輸入申告の日において発行の日から1年以上を経過したものでないもの」と定められています。まどろっこしい言い回しですが、要するに1年です。
出題例
- 原産地証明書等は必ず提出しなければならない → NO
- 原産地証明書と原産品申告書の両方を提出しなければならない → NO
- 災害その他やむを得ない事情と認められる際は、提出期間が猶予される場合がある → YES
まとめ
その他にも細かい規定はありますが、ここに載せている内容くらいで十分です。出題範囲と頻度は中レベルです。サクッと覚えて他の分野の勉強に取り組みましょう。
詳しく知りたい方は税関のホームページで確認してください。試験的には深追いしなくても大丈夫です。
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